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ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 1013
2015.05.25

コントロールセンターからオレンジボールのフラッグは出ませんでしたから、ポストでも高年式の車だからとの先入観から気にならないレベルの煙だったのでしょうか。それとも煙の量が少なく速度による風圧で見えなかったのでしょうか。
ともかくピットインをしましたが、写真でご覧のように煙は全く出ていません。
第1コーナーで煙を確認した直後にエンジンの回転のみ速くなり空回りをしているような症状が発生しましたからハザードランプを点灯しピットに戻りました。

早速エンジンフードを開くと講師でチーフメカニックの小宮山 泰央さんからベルトが切れていると指摘され、親切なポルシェ乗りが964のベルトを手際よく用意してくれましたが、その場にいたポルシェクラブ西東京の宍戸さんがミツワの小山デポに問い合わの電話を入れてくれました。

東ゲートをくぐり西ゲートを右に見て国道に出て右折し直ぐの小山デポまでの3km弱を静々と走り福原さんをお訪ねしました。

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クーリングファンを上下に揺するとガタが出ているのが判明しました。
この間は1分ほどで永年空冷エンジンを手がけてきた熟練メカニックの迅速で的確な診断に目を見張る思いです。
多分オルタネーター(発電機)が壊れているでしょうからオーバーホールか交換が必要となりますので、車はお預かりします。となった次第です。

交換をしなかったパーツがレーシングコースの高速走行で予想した通り破損しました。

分解した壊れたオルタネーターです。
右、円筒の形をしたのがハウジングで内側にコイルが巻かれていて、帯状の黒い部分上部、ボルトの見える方が車の前方向です。
左、円柱の三角形は永久磁石です。
オルタネーターは右ハウジングに左円柱が挿入され組み付けられます。

右写真、段付きの赤銅色をしたシャフト先端に帽子を被したようなシャフトが付き、そこの破損がベルト切れの原因です。

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一番上右写真中央に上向きの“C”の形をした小さい物体が写っています。
この“C” 形の物体を下左、ステンレスのシャフトに戻すとベルト切れの原因が判明します。
ステイレスのシャフトに装着されたブッシュが経年劣化で剥がれています。

新品の930のオルタネーターです。

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壊れたオルタネーターを真上から見ました。
上部が車の前方向です。

“C” の形をしたモノ、ブッシュが剥がれ無くなった状態でハウジングに収めた写真です。
ご覧頂くとハウジングとベアリングの外側のシャフトの上部と下部のブッシュが無くなったため不均等な隙間が生じシャフトをハウジングが支えていないためクーリングファンにガタが発生したのです。
33年で91,330kmを走破し、高速走行テストによる負荷で破損したのは明らかで、将来起こり得る故障が高速テストをしたことで発生しました。

2009年マンタイレーシングがニュルブルクリンク24時間で未踏の5勝を果たした後、オーバーホールしないエンジンをレースに投入し40時間で壊れるかをテストし、42時間でリタイアした経緯があります。

930の修理に際し予算に中で可能な限りのオーバーホールをしてのテスト走行ですが、当然起こり得るべき事象で予想した結果です。

今回の修理を終え、更にオドメーターが積算されると次に起こり得る故障がもう1箇所ありますが、デストリビューターです。

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次回に続く

ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 1012
2015.05.23

1982年に誕生し今年33才のポルシェ930カレラです。
2012年 4月 3日に走行距離76,314kmで入庫(院)して13ヶ月間の療養生活の末、2013年 4月30日約1年ぶりに退院しました。
2015年 4月11日(土)開催のスポルトファーシューレ1で現役復帰を果たした若かりし頃を思い出して?の勇姿です。
エンジン、ミッション、足廻りは全て、そして電気系統は殆ど交換ないしオーバーホールをしてから、リハビリーを兼ね高速道路でのトレーニングは4,000回転以下を維持し、5,000kmを走り終え健康診断後、更に10,016kmオドメーターを加算しました。

カンバックデビューは晴れやかなレーシングコースでポルシェ乗りのポルシェの先導役である慣熟走行で調子を整えた後、徐々にエンジンの回転数を上げての初のレーシングコースデビューです。

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今回のテストで新車当時の負荷をかけたなら、オーバーホール後どこにどう云う支障が出るのかを看るためのテスト挑戦を試みました。

8時から受付開始、9時に津々見 友彦校長先生のブリーフィングで開校しました。
11時からの1回目のフリー走行は慣熟走行後に始まりました。
何回かに分けてのホームストレートの最高速度は180kmから198kmまで伸ばしました。
第1コーナーへの進入はエンジンブレーキは使わず、フートブレーキのみで減速し、完璧なダブルクラッチで5速から3速まで順に落とし、アウトのゼブラ奥く一杯までもって行きながら、少し右向き加減にセットしたバックミラーで後方の安全を確認してブレーキを残したままの状態でコースに入り、センターからアウトのゼブラ際までハンドルを戻しながらもって行く途中はガーゼのハンカチを絞るような感じで加速し約40分ほど繰り返し1回目のテスト走行は無事パスしました。

1時間の昼食をはさみ、13時から2回目の走行を開始しました。

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2回目は慣熟走行はなくフリー走行です。
ブリーフィングで注意されたピットロードから本コースへの進入方法と初心者マークをリアウィンドに貼付した車の5m以内への接近を厳禁した初心者保護の規則を遵守ての走行ですが、かく云う30才を迎えた930カレラも初心者用のイエローストライブを貼付しています。

走行を初め45分位が経過した第1コーナーの進入時にバックミラーで青い煙が確認されました。
下はそれ以前に既に症状が出ていたであろうと思われる証拠の写真です。
上2枚の写真はヘアピンカーブからの立ち上がりで煙は見えませんが、300Rを目がけ走行する高速から負荷が掛かるポイントで、かすかに煙が見られますから、この頃不具合が発生したと思われます。
その先のダンロップコーナーへの進入時に煙は確認していません。

不具合箇所はどこでしょう。

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次回に続く

ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 1011
2015.05.22

津々見校長先生の説明に聞き入る初参加者、赤いイタリア製跳ね馬のドライバーです。
先生のお人柄そのままの笑顔とは対照的な少々?緊張気味の堅い表情は致し方ありません。
誰しも一度は通過してきた思いで深い過程です。

しかしよく見ると盛り上がった胸板と肩から上膊部の筋肉は尋常ではありませんから、この写真と緊張気味と書かれた文面だけで見ると誤解されるかもしれません。
鍛え抜いた体躯が誤解を生じたのでしょうか。
世間には良くあることで、貧弱な者の反発でしょう。
引き締まった口元と鋭い眼光、苦み走った男の貌です。

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こちらはポルシェの対照として、古くから存在する赤バッチを付けた国産車です。
ニュルブルクリンクノルドシュライフェに行ったならツーリスト走行時は常に10数台走っている人気車です。
白い車の赤バッチのドライバーはトヨタに勤務され、ニッサンのスポーツカーのテストをしているのでしょう。

日本では赤い車の赤バッチを愛車とし、本国では黄色の997GT3でニュルブルクリンクノルドシュライフェをフィールドに日独で半々の生活しているドイツ人ドライバーです。
現在はドイツに滞在中でスポルトファーシューレ2の直前に日本に戻る予定のようですが、何とか間に合うように帰国?し参加してほしいです。

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同じ赤でも、こちらの赤は964のインテリアで全て赤づくしの本皮革と超豪華な造作です。
手作り、特別仕様の代償を耳にしたなら、目を剥いたまま難聴になるでしょう。
正にこれでもかと凝った作りのパッセンジャーシートの床に白いウェスが置かれているのはご愛敬です。

最後も色の話題です。
スーツとヘルメットのカラーリングはホワイト、ブラック、オレンジで、デザインも統一しピシッと決めています。苦み走ったマスクは仕事とハンドルに対し自信が漲っています。
これぞ本物の格好良さでしょう。

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次回に続く

ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 1010
2015.05.21

ブログが度々脇道のそれてすみません。
5月16日(土)に掲載した1005回の続きに戻ります。

4月から始まった新年度のサーキットイベントは海外はニュルブルクリンクで2回、国内は富士スピードウェイで4回に亘りスポルトファーシューレを開催しますが、そのうち3回がレーシングコースで後の1回はショートコースとP2を併用した氷上トレーニングと同様の初歩にして究極のカリキュラムで今月末、5月30日(土)に開校します。

レーニングコースを使用しての第1回スポルトファーシューレの校長を務めて頂いている津々見 友彦先生が参加者全員受講するブリーフィングと初心者向けのカリキュラムを担当されています。
親切で丁寧な指導法は好評で全員のブリーフィングの後、コース図の前で初めての参加者や不練れ、不安を感じる参加者に一般道と比べサーキットが如何に安全かを説明してリラックスさせてから運転の基本の荷重移動、路面とタイヤの関係等の説明をされました。

その後のレーシングコースではマンツーマンのカルガモ走行でラインの取り方の実技の特訓に移りました。
リアウィンドーには初参加の目印、黄色のストライブが入っています。

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大ざっぱに言ってポルシェ乗りを目指す人にはふた通りの方がいるように思われます。
先生の話を聞き努力し、一段一段と地道に腕を上げて行く人・・・
ポルシェに乗って一般道で乗用車を相手?にぶち抜いて走っていて、レーニングコースでポルシェ乗りにぶち抜かれ一辺に萎んでしまう腕でなく口で運転をする人が希にいます。
人生、幾つになっても素直な心と努力の大切さを知る思いです。

美しいシルエットを浮かび上がらせる赤いイタリア車とケイマンです。
プロのカメラマンがレンズを通して画像にすると、こんな表現を見せてくれるのですから素晴らしいです。
パーツのひとつひとつが細部に亘って活き活きと写し出されています。

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ピットで待機する車の前を1台、また1台とレーシングコースに戻っていきます。
そんな一方、ピット内ではコースから脱輪した964がアンダーカバー内にかき上げた小石の除去に専念しています。
まだウェット状態であった100Rでドリフト状態になり、危機一髪虎口から逃れられたのも1月の氷上トレーニングに4日間参加した成果です。
同様のカリキュラムで講師も同じ初歩にして究極のトレーニングが来る5月30日(土)に開催されることを冒頭でご案内しました。

大切な車を安全に走るためのポルシェを主体にした我が国唯一のトレーニングが来週末、5月最終土曜日に開催されます。
充実した質の高さと内容の素晴らしさは参加されると、どなたでも実感できます。
津々見校長先生、ウォルフガング・カウフマンさんと一緒に富士スピードウェイのショートサーキット、P2の受付でお待ち申し上げております。

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次回に続く

ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 1009
2015.05.20

4月に続き今期2回目のスポルトファーシューレが5月30日(土)に富士スピードウェイで終日に亘り開催されます。
イベント後宿泊するホテルは1ヶ月前に予約をしていたので、いつものつもりで悠長に構えていたところ、御殿場、山中湖周辺のホテルはどこも満室状態であることが分かり大慌てをしました。
その理由は5月31日(日)に開催される第35回山中湖ロードレースと
スポルトファーシューレ2が重なったためです。
ロードレースの受付は前日30日(土)の14時から19時迄でと当日朝6時半から2時間可能で、月末の週末と云うこともあり満室状態が生じたようです。
競技種目は山中湖一周13.6kmとハーフマラソン21.1kmで募集数は13,000人だそうで、御殿場、山中湖周辺のホテルはどこも満室というのはなる程と納得できました。
因みに山中湖村の人口は5,850人余でホテル、民宿は180軒あるそうですが梅雨前、新緑のこの時期、通常の宿泊客にロードレース参加者の何割かが加われば1ヶ月前に予約しても無理でしょう。

箱根箱根




今回開催のスポルトファーシューレ2はウォルフガング・カウフマンさんを招聘し、津々見校長先生と小宮山泰央さんを講師にショートコースとP2を使ってのトレーニングが7時からの受付で始まり、17時迄昼食時1時間の休憩を除いて行われます。
終了後、片付と反省会をして帰路につく頃は渋滞が待ち受けていますから、宿泊をして翌日朝食を済ませてから帰途に着くスケジュールを組みました。
 
確保したホテルは御殿場インターチェンジから約40分程で乙女峠を越えヒルクライムを楽しんだ後の中強羅です。
写真のプールはこの時期不向きですが、変わりに露天風呂もある素晴らしい泉質の掛け流し温泉で、終日走った後の温泉と懇親会を思い切りお楽しみ頂けます。

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ホテル内のエントランスと客室です。
設えは3年前にクラブの総会で利用した宮ノ下のホテルと似たデザインで、懇親会後の二次会々場は別室を用意しました。

翌日の日曜日は千葉でゴルフと云う参加者もいますが、大方は走るも飲むも底抜けに好きなポルシェ乗りが多く今回も飲み会は深夜にまで及ぶでしょう。

箱根箱根



次回に続く