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ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 931
2014.10.12

エンジン、ミッション、デフ、足廻り、諸々のオーバーホールを約1年ぶりに完了したポルシェ930のシートに身を委ね、一気乗りの一人旅に出掛けました。
東京を出発したのは昨年6月中旬で、まず初めに三重県伊賀の里、赤目の瀧と延寿院赤目不動明王をお参りしました。

天正時代、ここ延寿院発行の牛王宝印は全国の関所を通行できる関所札、いわばパスポートで法華経を背負い全国を納経してまわる瀧参りの行者衆が全国の寺社を巡り収集した情報を伊賀に集める、彼らはいわば忍であったと・・・
今も忍の上人の家があり、能の観阿弥(猿楽師の祖、伊賀・服部氏族の上嶋元成の三男で母は楠正成の姉妹であるという)や松尾芭蕉もこの地の出身で忍であったと云われる。

雨の朝を迎え瀧をお参りしようとした際、そうだ!このお寺に先ずお参りをと思いポルシェで立ち寄りました。
ひっそりとした境内、扉を閉ざしたお寺で手を合わせていると隣の家からポロシャツ姿の近所のおっちゃんとおぼしき人が出てきたから、すみません!すぐどかします!車ごめんなさい! と・・・ 
なんと住職でした。
あとで聞くと、どえらいうるさいポルシェが、こんな山寺に何して来たんじゃ!  と・・・
そんなご縁で、お堂を全部開けて頂き説明をしてくださり、以来仲良くなりました。
比叡山で修行はしたものの、先代が急になくなり呼び戻されたのが、この住職です。
そして、とてもおもしろいおっちゃんでした。
帰京してから後の遣り取りで、来年3月の瀧開きに参加することになったそうです。

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油日の大神
創祀年代不詳
聖徳太子が社殿を建立し油日大明神を祀ったとの伝承もあり、神仏習合の明治の前までは摩利支天、武神、隠形の神を祀り甲賀の地侍や忍び達の氏神として崇敬を受けてきた古刹です。
普段は農民や山伏だった忍び達の寄り合いの場であったらしく甲賀五十三家は伊賀と違い団結した連合組織「様々な惣」とよばれる組織化された仕組みをもち、採決や話し合いといった共和連合を保ち傭兵として戦っていました。

山陰は山伏村のひとかまえ
松尾芭蕉

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今回の紀行をお寄せ頂きました 「海」のそして海面の波だけを海中から撮り続ける新潮流の写真家 杏橋 幹彦さんです。
神の存在を表現するような神秘的、幻想的、写真の数々を写真集として出版され、たびたび個展を開催し審査員も務めています。
www.mikihiko.com

出版の云えばムタラチューンの村田 正明も空冷ポルシェに関する、今まで世になかった整備の本を今年中にハードカバーと日常整備に携わる方々が見やすいソフトカバーで出版します。
上梓に向け、整備を完了した空冷エンジンを挟み編集者と最終の打ち合わせをする村田です。

930取材



次回に続く

ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 930
2014.10.10

7月初旬から約3ヶ月間、世俗のわずらわしいさでブログを休みました。
そして今回がブログを書き初め930回を迎えましたので、回数に因みポルシェ930に関連したことを自他を交え書くことにしました。

この車が誕生した当時はスーパーカーブームで都内を走ると子供に「オゥ~ ポルシェ、ポルシェ」ともてはやされた時代でした。
超鋼板のボディは戦車を思わせるほど厚く強靱でした。
奇しくもその証明をしたのは中央高速道上り車線の調布料金所で起きた事故です。当時中央分離帯はコンクリート壁で、そこに接触したシルビアが走行車線を走行中の右リアフェンダーに激突しました。フェンダーがタイヤ食い込み、動かせないため大きなバールを差し込みフェンダーとタイヤの隙間を確保しようとJAFの人が試みましたがビクともしないので、足場用のパイプを差し込み竿立ちで反動をつけようやく、かすかに隙間を確保し、タイヤがまだフェンダーに接触したまま、直ぐ脇のバス停に退避したことがありました。
この当時ポルシェはまだ1台ずつ手作りの時代で、事故に遭ったターボ車は月産3台でした。

昨年6月中旬に三重県伊賀の里、赤目不動を祀る延寿院を訪ねたお客様の930カレラです。

930
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その1年前お預かりした当時、エンジン、ミッション、デフ、足廻りをレストア中のがらんどうのボディーです。
偶然訪ねた店で、この930に呼びかけられたような気がして、愛おしくなり引き取ったそうです。
点検で訪れたディラーでムラタチューンを紹介され訪ねて来られました。修理期間の1年余を経て新車当時に限りなく近い状態に蘇った930の慣らし運転を兼ねた5000㎞、一気乗りの旅は伊賀、甲賀から北陸を廻り、出羽三山を巡る長丁場でした。

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エンジン、ミッション、デフがエンジンルームに納まり、分解、洗浄、目視点検後の計測と進められて行きます。
特にエンジン、ミッション。デフは分解して見ないと不具合箇所が解りません。
小さな傷で修正できる時は良いのですが、高価な部品の交換が必要になった場合、お客様にご来店いただき計測データを基にご説明してから修理を進めます。

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次回に続く

ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 929
2014.10.08

イベント毎にイエローのポルシェ997GT3のハンドルを握り参加する根っからのポルシェ乗りで今回も最良のコースコンディションの下で開催されたスポルトファーシューレ 2 に参加しました。

これからスタートするシートでカツラの様な形をしたヘルメットの紐を締めながら、メーターの点検をするドライバーは理事で、いつもイベントの赤字防止に並々ならぬ協力を頂いています。
カツラ形のヘルメットとストライブ入りのポルシェジャンバーの間からのつぶらな?瞳が印象的です。

富士スピードウェイ富士スピードウェイ



富士スピードウェィのショートコースに到着した当初の曇り空から、暫くすると霧雨に変わりました。約1時間のブリーフィングの間に急速に回復した天候は9時過ぎに青空に変わり10時頃になるとウェットコースは完全なドライとなりました。
これこそ表情豊かな天の恵みで、これ以上のベストコンディションは望んでも得られるものではありません。
スポルトファーシューレ 2 がスタートし暫くしてウェットのコースがドライに変わった頃の下り直線を小気味よく走り抜ける997GT3です。

富士スピードウェイ富士スピードウェイ



昼食をすませた頃から再び小雨が降り出しました。
アクセルとブレーキの練習用に購入したFFのゴルフでウェットコースを最終コーナーから立ち上がり、下りの直線を加速しながら先行するご主人の997カレラに続いて飽くなき練習に励んでいます。

そして、いよいよゴルフからご主人が乗る997カレラマニュアル車に乗り換えました。

富士スピードウェイ鈴鹿富士スピードウェイ





水しぶきを巻き上げ直線コースから第一コーナー左カーブへ進入する997カレラです。
リアウィンドにはイエローのストライブ初心者マークが貼付されていますが、今年1月八千穂レイクで開催されたトレーニングの成果が見事なコントロールを実現しています。
氷上トレーニングに参加していなければポルシェに乗り慣れた男性でも躊躇する雨の富士スピードウェイ、ウェットのショートコースです。

ヘルメットを外し今度はご主人とハンドルを交代するオシドリ夫婦です。

富士スピードウェイ富士スピードウェイ




次回に続く