新着情報

ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 549
2012.02.29

ウィンタートレーニング2日目は雪の朝を迎えました。
宿泊したホテルの駐車場で、くるぶし迄埋まる新雪は八千代レイクでは更に深くコースの除雪作業は外周コースを整備するのに2時間余費しました。
虎の子のジムニーハイドバンはフル稼働を強いられその結果、ハイドバンのステーが折損しダウンの憂き目となりました。

丁度、昼食の時間でしたから急遽予定を変更し一旦コース上に全員が集合後、ハーモナイズでランチと休憩を兼ねて待機しジムニーの復帰を待つことにしました。
打ち合わせの結果、修理完了予定時間を14時に設定しました。
食事をしながらレストランから眺める雪景色は大寒を象徴していますが、気温は下がらず曇り時々雪の天気で午後になってから気温は上がり気味です。

ウィンタートレーニングウィンタートレーニング





氷上トレーニングの準備期間を含む6日のうち5日間の昼食をハーモナイズで用意して頂きましたが、温かな料理は温かい状態でテーブルに並ぶため、どうしても最初にセットされたテーブルとの時間差が発じてしまうのは致し方ありません。既に食事をすませ歓談中のテーブルと食事中のテーブルです。
今日のメニューは地元で自然飼育されている鶏のチキンソテーで食材が吟味されていて素材が良い上、料理が上手ですから皆さん堪能されました。

ウィンタートレーニングウィンタートレーニング




肉を口にしないウォルフガング・カウフマンさんは野菜サラダとロールパンひとつ、紅茶の昼食を早々に済ませ、先に八千穂レイクに戻って行きました。
参加者全員がコースに戻って間もなくジムニーハイドバンの修理が終了し、試運転を兼ね管理責任者の市川さんが内周コースの除雪作業を開始しました。準備は粒々(リュウリュウ)仕上げは上々とばかり試運転が終わったジムニーをカウフマンさんにバトンタッチしました。全コース開通に向け復活したジムニーのフル稼働が再び開始しました。

ウィンタートレーニングウィンタートレーニング



次回に続く

ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 548
2012.02.28

カメラの前を通過するドライバーを撮影しました。
どなたもこぼれんばかりの笑顔をカメラに向け返してくれます。
その理由はどうしてでしょうか。

ウィンタートレーニングは二日目ともなると、何回か参加した経験のあるポルシェ乗りは氷とタイヤの接地感覚を身体のセンサーが察知できるようになり、ご覧のような走りをしています。
このセンサーを育むのは氷上トレーニングに参加し体験することで生まれます。
その理由は何故かと考えた時、ミスを優しく抱擁してくれる真綿のような新雪が存在するからで、万一コースアウトしても車のダメージはありません。
氷面とアスファルトにおける速度とミュー、横G、縦Gの関係は富士スピードウェイのレーシングコースと同等で、氷上において20、30kmの速度でブレーキを掛けても効かない状況が再現できます。
例えば、富士スピードウェイのレーシングコースの直線を300km近い高速で走り抜けカーブに120kmの高速で進入、オーバースピードでスピンしガードレールにフロントないしリアから突入しても愛車のポルシェの損傷は全くないとしたなら、どれほど思い切った走りと練習ができるでしょうか。

それを自分のポルシェで実体験できるのがポルシェクラブ六本木が開催する日本で唯一のポルシェによるウィンタートレーニングです。

ウィンタートレーニングウィンタートレーニング





仮に海外で同一のトレーニングに参加するとしたなら、参加費のみで八千穂レイクの10倍、それに航空運賃が加算されます。
かつ取れるようで取れない休暇は最短で1週間を必要とします。
最悪の場合、時差ぼけを考えると10日間の休暇をとって参加できる人が、どれ程いるでしょうか。
それ等を考慮した時、 ポルシェクラブ六本木が開催するこのトレーニングがどれ程の価値を創造するか、賢いポルシェ乗りの皆さんはお解り頂けると思います。

ウィンタートレーニングウィンタートレーニング




何回か参加され微妙なハンドリングとアクセル操作を体得されたなら、ここに掲載したようなドリフト走行を可能とするのです。

この走りを理論だけの座学でインストラクターから多くの時間を費し聴講しても、できるようにはなりません。
氷上(トレーニング)において、この走りを体験していないポルシェ乗りにとってはプロもアマもなく、全ての参加者は同一です。

それはニュルブルクリンクノルドシュライフェと同様です。

ウィンタートレーニングウィンタートレーニング



次回に続く

ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 547
2012.02.27

このブログはウィンタートレーニングに初回からインストラクターとしておいで頂き、世界で初めて横G並びにブレーキを掛けた時の縦Gを数値を用いて論文を書かれた Dr.原中喜源さんに特別寄稿頂いた原稿を掲載いたしました。

ミニバンでのドリフトはなかなか馴染みがないとは思いますが、写真のE-51型のエルグランドの場合、基本的に駆動方式がFRですので条件さえ整えばドリフト可能です。
過去に少し路面が濡れた定常円で私がドリフトした映像がありますので参考までにご覧下さい。


ウィンタートレーニングウィンタートレーニング




このエルグランドは4輪駆動車ですがFRモードを選択することができます(画像は全てFRモードでの走行です)。 
また、後輪のデフにはLSDは入っておらず全くのノーマルです。 
今回の氷上トレーニングはスタッドレスタイヤを装着しての参加です。 
エルグランドは車両重量が2トンを越えるヘビー級の車で、氷上で加速度を計測したところ、今回の氷上のアイスバーン路面で横GもブレーキGも0.2Gを越えることはほとんどありませんでした。 
エルグランドはドライのアスファルト路では0.9G程度の横Gと1G程度のブレーキGですから氷上ではおおまかにアスファルト路の1/5程度(あるいはそれ以下)のGしかでないことになります。 
つまり、コーナーで進入速度が少しでも高いと容易にコースから飛び出してしまいます。 
また、アスファルト路ではコーナーの進入で緩いブレーキを用いた旋回ブレーキでリアを流す、いわゆるブレーキングドリフトを利用することもできますが、氷上ではほとんどの市販車のステア特性は旋回ブレーキではリアタイヤよりも先にフロントタイヤが流れてしまう、いわゆるアンダーステア傾向となりブレーキングドリフトができません。 
よって、写真のようにエルグランドによる氷上でのドリフトは十分に進入速度を落し、更に進入でコーナー方向とは逆方向に一度車を向けて、いわゆるオツリを利用してのドリフト開始となります。 
リアがスライドを始めたらアクセルを適度に操作してドリフトアングルを維持するわけですが、氷上ではLSDのないエルグランドでもアスファルト路よりも容易にドリフトアングルを維持することができます。 
アスファルト路ではLSDの装着されていない車は駆動輪のイン側のタイヤが空転を始めるとアウト側のタイヤへの入力はそれ以上加わらないためにアウト側のタイヤの空転は止まってしまう傾向にあります。そうなるとドリフトは維持できません。 
ところが氷上では路面とタイヤの間の摩擦が低いためにイン側のタイヤが空転してもアウト側のタイヤには空転を維持するには十分の入力があります。 
よって、写真のようにドリフトが可能となるわけです。 
今回の氷上のコースは校長のウォルフガング・カウフマンさんの意図もあって、コーナーの途中でRが小さくなっていく設定が多々あります。徐々に回り込んでいくようなコーナーです(私のホームサーキットの筑波サーキットはそのようなコーナーが多いです)。 
エルグランドの場合、ドリフト途中でコーナーのRが小さくなっていく場合、アスファルト路ではある程度ステアリングとアクセルワークでなんとかラインを修正できるのですが、今回の氷上のコースでは車両重量が重過ぎてアスファルト路と同じ操作では曲がりきれなくなりました。 
  
ウィンタートレーニングウィンタートレーニング




よって、左足ブレーキングを用いて減速しながらドリフトアングルを維持してRが小さくなるコーナーにラインを合わせていくという作業が必要になり ました。
写真のコーナーがまさにそのコーナーなのですが、途中で左足ブレーキを使って減速しながらドリフトアングルが増しているのがよくわかる構成になっ ています。エルグランドは氷上でスタックしても4駆モードにすればすぐに自力で脱出できますし、荷物も人間も沢山乗りますから、物凄く今回の氷上トレー ニングでは重宝しました。現在のE-52型のエルグランドはFFベースとなってしまい、写真のような楽しみ方ができなくなってしまったのが残念でなりません。とは言っても、このような走りを目的としてエルグランドを購入する方は、なかなかいないとも思いますが・・・私くらいでしょうか? 

ウィンタートレーニングウィンタートレーニング



次回に続く

ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 546
2012.02.26

ポルシェウィンタートレーニング2日目の朝です。
まだ除雪が終わっていないコースをコンチネンタルウィンタータイヤの特性を生かし疾走するポルシェ993カレラを撮影しました。雪煙を煙幕のように巻き上げカウンターを当てながら直線を疾走するニコ・カストラップさんの超絶技巧の美技です。
確実にして見事なドライビングテクニックはフォーミラーで、そしてニュルブルクリンクノルドシュライフェで鍛え上げた確かな経験から生み出されるテクニックです。昨日は一日、雪上で立ちずくめでしたから思い切り発散しているのでしょう。

ウィンタートレーニングウィンタートレーニング



降り積もった雪はパウダースノーで湿り気がなく軽いため除雪は思いのほか順調にはかどり外周コースは2時間程で終了しました。周辺の駐車場で待機を強いられていた車輌がどっと氷上コースに入場してきました。場内は一辺に賑やかさを増しブリーフィングももどかしく2グループに分かれるとコース上に散って行きました。

昨日早朝、豊田市と発ち御殿場経由で午前中に八千穂レイクに到着したプリウスです。冬このトレーニングの時期になると思い出すのはフィンランドはサンタクロース誕生の地ロバニエミとアイコードの鶴田昭臣社長のことです。
鶴田さんとは以前からお付き合い頂いているのですが、今回の氷上トレーニングは海外レースに参戦するハイブリットカーのテスト車輌で参加頂きました。
さて、5年ほど前、極寒の2月フィンランドで開催されたポルシェウィンタートレーニングに参加のためヘルシンキ空港に到着し、翌日ロバニエミに発つ晩、夕食を食べに30cm程降り積もった雪のヘルシンキ市内を素足にサンダル履きで歩いき通した豪傑です。
気温はここ八千穂レイクとは比べるすべもない-20℃以下でしたから良く凍傷にならなかったものだと血の巡りの良さにも驚嘆します。
ホテルからレストランのある魚市場近くまでたっぷり20分以上、八千穂レイクの堰堤に積もった雪ほどの深さがありました。
靴屋は既に閉店していて営業をしているのはレストランとバー位でした。

今年から放送されているNHKテレビの大河ドラマ平清盛の末裔で漢文の教科書にも登場する家系で旧姓時実姓を名乗り現在も神主をされている名家です。ユニークな発想と人当たりの良さ、そして精神鍛錬の違いは凡人と大きな隔たりがあるのでしょう。
空冷ポルシェ達人バイブルの著者で著書は多数、文武両道のポルシェ遣いです。運転技量の査定が最も厳しい北ドイツ自動車連盟が開催するスクーデリアハンセアートではいつも表彰台に立っています。

ウィンタートレーニングウィンタートレーニング






最初の水冷ポルシェターボと最後の空冷ポルシェターボの写真を2題掲載しました。
昨年から連続してウィンタートレーニングにそして昨年10月開催されたニュルブルクリンクのスクーデリアハンセアートとスポルトファーシューレに参加しています。

空冷ポルシェのポルシェ乗りは富士スピードウェイで開催されるスポルトファーシューレは欠かすことなく参加していますが、氷上トレーニングは初参加です。
レーシングコースで鍛えているので、2日目にはドリフトのきっかけを掴めそうなところ迄きています。

その先の黒のワンボックス車は華麗なドリフトで先行しています。

ウィンタートレーニングウィンタートレーニング


次回に続く

ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 545
2012.02.25

ポルシェクラブ六本木が主催する二大イベントのひとつポルシェウィンタートレーニングの2日目は天気予報通り雪に見舞われ一昨日半日がかりで除雪作業をして作り上げたコースは一晩にして再度除雪によるコース整備の必要に迫られました。
ウォルフガング・カウフマンさんがハイドバンによる除雪作業をする間、車輌をコース内に入れることができないため、会場周辺の2箇所の駐車場に分散し停め一旦管理棟まで徒歩で移動し待機することにしました。
カナダ製の-40℃でも足の先が冷たくならない耐寒靴で完全装備した先導者がラッセルした足跡を頼りに歩幅を合わせ雪中行軍です。
ウィンタートレーニングウィンタートレーニング



八千穂レイクの堰堤に向け直登するポルシェクラブの会員です。
アクセル操作を重視しドライビングシューズやスニーカーの人もいますから、行軍が短いとは云え確実に靴の中までパウダースノーは進入してきますから、後が大変です。
差し入れで届いた蜜柑を肩に足元が確かでないラッセル後をトレースし30度近い土手の直登に挑みます。
一列に隊列を組み黙々と管理棟目指し雪の中を進みます。

ウィンタートレーニングウィンタートレーニング




資源再利用のペレットのストーブは先発で八千穂レイクに到着したマンタイモータスの大鹿さんが点火し部屋の暖がとられていました。
ペレットは木くずを特殊な製法で固め大豆の2倍くらいに丸くした燃料です。このような寒冷地でも一袋あれば、ほぼ一日持続します。燃焼部脇に設けられたホッパーに補充し摘みで燃焼室への落下量を調節することで火力をコントロールしています。
コーヒー、紅茶、日本茶とスナック、蜜柑等いつでも食べられるよう用意していますから、今日のような不測の時は管理棟を利用でき重宝します。

八千穂レイクは佐久穂町が管理する農業用の溜池で取水口と放水口は氷上への導入路から最も遠い管理棟の直ぐ近くにあります。放水口のすぐ右脇に湖面に突出した桟橋があり例年だと桟橋周辺はこの時期、完全に結氷しているのですが、11月下旬はヨーロッパ同様に気温が低下せず岸辺の土が凍るらず桟橋付近の完全結氷遅れたようで、ぐさぐさで表面に水が溜まった状態ですからゴム長靴でなければ徒渉できません。

ウィンタートレーニングウィンタートレーニング




次回に続く