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ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 430
2011.05.30

日本で開催される「ポルシェ ウィンタートレーニング」にぜひ参加してほしい。
その時、雪深い八甲田山と湯船の底から湧き出る蔦温泉の話をしたところ、ぜひ行ってみたいということとなりましたが、師走初旬にお会いしたときは、まだ来日は決まっていませんでした。年の瀬も押し詰まって突然電話が入りスケジュールが調整できかたら日本に行きたいがどうかと連絡がありました。ゲオルグ・フォルムバウムさんの真面目で誠実さを示すエピソードですが、そんな話をもうひとつご紹介します。
フォルムバウムさんが完成した作品?の前でポーズをとるひとコマを前回のブログでご覧頂きました。1時間近く遊んだでしょうか。フォルムバウムさんは自分でも写真を撮り充分楽しんだ後、ご家族向けに彫ったメッセージも全て削り落としていました。

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雪の壁に表記された “POCET” の意味は1988創設期の名称で「ポルシェ オーナーズ クラブ イースト トウキョウ」の頭文字からとった略語ですが、現在その由来を残すため「ポルシェクラブ六本木」のホームページに使われています。
大鹿さんは完成した作品に更なる工夫を凝らし、新しいアイデアで花を添えています。

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自分の顔を対象にあれこれとバラエティーに富んだ思考でひとしきり楽しませてくれました。好天に恵まれ6mにも及ぶ切り通し下の圧雪路は、風もなく日だまりは春のように暖かです。ウィンタートレーニングの準備期間以降連日の好天は厳冬期に訪れた本州最北端の青森県でも続き、最近はあまり積雪がなかった青森市内でも除雪が間に合わない程でしたが、どうしたことか好天続きです。
市内西南、東北自動車道終点青森インターチェンジ近くの三内丸山遺跡を訪ねました。発掘当初一度訪ねていましたが、久々に入場して、展示館の規模と展示物の多さに驚きました。
終始学芸員が付いて館内の展示物について詳細に説明をして頂けたのは幸運でした。もう一度時間をかけ入館してみたい所です。

これだけの遺跡が、4,000年から5,000年後の現在まで、ほぼ完全な形で残っていたのか何とも不思議でしたから質問しました。

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ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 429
2011.05.25

自然の造形美と言うのでしょうか。降り積もった雪の重みか、北からの強風が巻き込んで垂れ下がったのか、積もった雪が何層にも重なり山毛欅林の陰が雪の層に投影し美しい縞模様を成しています。
そんな造形美を楽しみながら暫く進むうちに両脇、雪の回廊が果てしなく続くなかに二人歩行者が現れました。地元の方で新田次郎著の小説「八甲田山死の彷徨」の舞台となったこの地を厳冬のこの時期に毎年踏破しているそうです。原作は映画化され当時大ヒットしましたが、遭難した当時の資料を納めた資料館や銅像がこの直ぐ先の山中にあります。

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ウォルフガング・カウフマンさんと約束を果たすため更に進みます。雪の回廊は両壁が高さを増し5mを優に越す地点に辿り着きました。皆さん初めて見る雄大な純白な壁に大喜びです。設計の仕事に携わる大鹿さんが真っ白に輝く雪の壁に素手で何やら彫り初めました。天候こそ良いものの気温は氷点下10℃以下で手作業など、とても耐えられるものではありません。
周辺は白銀の世界で無雪期と違い木の枝一本落ちていませんから車の雪払いを使い本格的な彫塑に取りかかりました。それにつられゲオルグ・フォルムバームさんも取りかかりました。こちらは辛抱強く素手で挑戦しています。

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両者は純白の壁に挑戦するうちに互いに燃えてきました。そして “芸術とは爆発だ” と思ったのか完成した彫り物の前で自身もとけ込み一体化した様相を演出するホルムバウムさんです。真面目な面しか見せなかった彼のこんな姿を見るのは初めてです。
両者は何を彫ったのでしょうか。拡大してご覧になって下さい。

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ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 428
2011.05.24

昨夜は八甲田山東麓の蔦温泉に投宿しました。
厳冬の八千穂レイクで5日間氷上でのコース作りとインストラクターを兼務し、朝は7時から、そのうち2日連続で22時まで働きずめで時差ぼけもなく今朝は6時から雪上散歩に出掛けました。朝食後はカメラを肩に再び徒歩で散策です。
皆、出発の準備が整い、揃って玄関に出たところで今度は雪合戦が始まりました。
タフ、茶目っ気充分で動きの速いウォルフガング・カウフマンさんを相手に日本勢は守勢気味です。

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タフな象徴のカウフマンさんのお相手はもっぱら大鹿さんに任せ蔦温泉旅館の玄関先で始まった雪合戦を高見の見物です。フィンランドはロバニエミで開催される雪上トレーニングでは雪の堤防で作られたS字コースをフラダンスさながらにリアを滑らせ向かって来るポルシェに雪を投げ大いに盛り上がって以来のドイツ対日本の攻防戦のひとコマです。二人の真剣さと見物の2人を対比しご覧下さい。

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ひとしきり続いた雪の攻防戦は勝負が着かぬまま、さすがのカウフマンさんも冷たさには勝てず停戦となりました。体は熱く手は痛いほどで指は感覚をなくしていることでしょう。仲良く肩を並べ春を思わせる光陽の下で記念撮影に収まる4名です。

ここ蔦温泉は十和田・八幡平国立公園内にあり、直ぐ近くに奥入瀬渓流とその源流、十和田湖があります。旅館の周囲は山毛欅林で湯船の底板に3cmほどの隙間があり分厚い山毛欅の底板の間から無色透明にして入浴に適温の温泉が時々気泡と共にこんこんと湧き出ている知る限り最高の温泉です。
明治の歌人、大町桂月が「人の世の命をからむ蔦の山 湯のわく処 水清きところ」と歌つていますが、歌も景観も実際そのものです。
これから更に深い雪と八甲田山に分け入ります。

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ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 427
2011.05.23

八戸郊外、陸奥湊駅前で地物の魚貝類を食べさせる「大洋食堂」で初めて生の魚介類の試食に挑戦したゲオルグ・フォルムバウムさんは「世界№1 レベル」と「大洋食堂」を評価しました。全国ネットで放映され八戸の隠れた穴場で有名になりタレントがよく訪れているようです。
作家で食通の林望さんもその一人なのでしょう。
ウォルフガング・カウフマンさんは日本食愛好家で刺身もイクラも大好きで彼が今、最も興味を持っているのは、5m積もった雪を見たいと言うリクエストです。八戸市から十和田市に至る国道沿いは周辺の田畑に残る30cm程の雪で、盛んにこの状態で本当にそんな雪が見られるのかと質問を浴びせてきます。十和田市郊外の花園ぐらいから国道の横断歩道の歩行者用信号ボタンの高さまで雪が積もっていて、こんな程度かと言わんばかりにようやく雪が増えたが、これからどの位目的地までの距離があるかと遠回しに鋭い質問をしてきます。
国道102号線を立石発電所辺りまで来ると1km毎に積雪は増し、今夜の宿蔦温泉に到着する頃には国道の両脇の山毛欅林は雪に覆われています。ひと沢毎に積雪が多くなり焼山から先は蔦温泉まで3km程の距離ですが周辺は2m程も積り道路は圧雪状態です。19時過ぎに蔦温泉旅館に到着しました。
玄関までのアプローチはかき寄せられた雪に新雪が積もり深閑としています。
旅装を解き全員が一部屋に集合しました。今夜から2泊ここにお世話になります。

翌朝好天に恵まれた蔦温泉旅館の玄関越しの眺めです。

ウィンタートレーニング
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ウォルフガング・カウフマンさんがカメラを持ってどこかに出掛けます。
3階の窓から声を掛け、山毛欅林に入ったら雪で戻れなくなるから注意をしました。車の鍵を見せながら了解のサインを返してきました。
どんな写真を撮ったのでしょう。1時間ほどして、にこにこ笑顔で戻ってきました。

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8時から朝食です。焼き鮭、おしたし、温泉卵、納豆と純日本食です。フォルムバウムさんは頼りない箸使いで全て残さず食べています。
昨年マルセル・ティーマンさんが来日した時、都内の寿司やでウニに箸を付けませんでしたが、フォルムバウムさんは何にでも挑戦しています。
納豆もホヤも試食し首を傾げながらも全て残しません。軽井沢のホテルで初めて食べた納豆にここでも再挑戦しています。カウフマンさんは慣れた手付き箸を使い焼き鮭を食べています。

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ポルシェ専門店,これが分かればポルシェパラノイア 426
2011.05.22

陸奥湊駅前の「大洋食堂」の営業時間は午後3時迄ですが、新幹線で八戸駅に到着したが3時15分です。レンタカーを調達し店に4時少し前に着きました。女将さんはじめいつものお母さん方に最高の笑顔で迎えて頂きました。
林望著の随筆にも登場する「大洋食堂」は、注文の仕方が独特で初めてこの店を訪ねた観光客は相当数の方が驚かれているのではないでしょうか。折り込み広告を再利用しメモに適した大きさに切った用紙を1枚ずつ渡され名前と注文品を書かされます。名字だけだと名前まで書くように言われます。
ここは同じ名字の人が多いので間違えるからとの理由です。
食事を注文するのに、いきなり氏名を書かされるのは一瞬とまどうお客様が多いのではないでしょうか。そんな客の思いはお構いなしこの独特の雰囲気がまた憎めないところです。因みに「大洋食堂」は地元の一般客は少なくテレビやブログで美味しいとの評判を知った観光客が多く、サインをしての注文の仕方は書かされた後、滑稽にさえ思えます。

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ゲオルグ・フォルムバウムさんが書いているのは注文品のメモではありません。
カウンター越しの壁に沢山のサイン入り色紙が掲げられています。そのコレクション?に加えるべくフォルムバウムさんの思いを色紙に書きました。ドイツ語でしたから日本語で訳を付け加えました。女将さんのご主人が健在でしたら英語、ロシア語、フランス語が堪能でしたから話題は更に盛り上がったでしょう。
生魚など一度も口にしたことのないフォルムバウムさんの色紙です。

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一方ウォルフガンク・カウフマンさんはいつものように丁寧に色紙を台紙に自分の乗るカートの写真を添え、やはりサインをしています。日本語の訳は別の紙に記入しました。

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1時間は瞬く間に過ぎ山盛りに出た刺身、ウニ、ホヤまで残さず食べました。
美味しかったと日本語で挨拶を交わし「大洋食堂」の向かいにあるタコやで料理を待つ間に買った「水タコ」受け取りました。今夜からの雪見酒の肴に最高です。
冬の日はとっぷりと暮れました。地物で朝魚市場に揚がったばかりの魚介類を最も新鮮な状態で食べさせてくれる特徴ある八戸の「大洋食堂」の店先でタコやのご夫婦と娘さんを交え日本の魚の旨さを認めて頂いた記念に写真を撮りました。
フォルムバウムさんの色紙をもう一度拡大してご覧になって下さい。
味は世界一と書かれています。

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