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ポルシェ整備 996ターボ/993ターボ スパークプラグのトラブル その2
2015.04.30

昨日に引き続き、ポルシェ 996ターボと993ターボのスパークプラグのトラブル例を紹介します。
本日はポルシェ 993ターボをご紹介します。

お客様が持ち込まれたポルシェ 993ターボは、昨日のポルシェ 996 ターボと同じように
運転席にあるオレンジ色のエンジンチェックランプが点き、エンジンの吹け上がりが悪い状態でした。

エンジンを詳細に調査してみるとスパークプラグに異常を発見しましました。
写真がポルシェ 993ターボから取り外したスパークプラグです。

ポルシェ 整備


写真の左が今回のポルシェ 996ターボから外したスパークプラグ、右側が正常なスパークプラグです。

錆が発生しており、スパークプラグのスペックなどを識別するための刻印が見えない状態になっています。

ポルシェ 整備


昨日のポルシェ 996ターボのスパークプラグのトラブル(中心電極の減り)とは異なりますが、
ほぼどう様の症状が発生しておりました。

普段からきめ細やかな点検が必要になるターボエンジンにも関わらず、
スパークプラグが装着されている部分が点検しにくい場所にあるため、
ポルシェ 996ターボ/993ターボともトラブルが進行してしまっておりました。

ターボ搭載のポルシェをお乗りのお客様は、ぜひ一度点検に出されてみてはいかがでしょうか。

ポルシェ整備 996ターボ/993ターボ スパークプラグのトラブル その1
2015.04.29

ポルシェ 996ターボと993ターボのスパークプラグのトラブル例を紹介します。

本日はポルシェ 996ターボをご紹介します。

ポルシェ 整備


お客様が持ち込まれたポルシェ 996ターボは、運転席にあるオレンジ色のエンジンチェックランプが点き、エンジンの吹け上がりが悪い状態でした。エンジンチェックが点いているということは、エンジンに何らかのトラブルが発生していることを示しています。

エンジンを詳細に調査してみるとスパークプラグの中心電極が減っているのが確認できました。
写真の左が今回のポルシェ 996ターボから外したスパークプラグ、右側が正常なスパークプラグです。

ポルシェ 整備


正常なプラグは真円に近い状態ですが、今回のポルシェ 996ターボのスパークプラグは楕円形状にまで減っています

ポルシェ 整備


このように減ったスパークプラグですと正常に火花を飛ばすことができませんので、
エンジンの吹け上がりが悪く、エンジンチェックランプが点いていた原因ではないかと考えられます。

明日に続きます。

ポルシェ整備 964/993 空冷エンジンの進化 〜ロッカーシャフト
2015.04.28

引き続き、ポルシェ964とポルシェ993のエンジンの違いからエンジンの進化をご紹介します。ポルシェ964とポルシェ993のエンジンでは、ロッカーシャフトのカムハウジングへの固定方法も異なります。

ポルシェ964はシャフトの両端をボルトで締めることで、シャフト両端の太さが増してカムハウジングとの隙間を埋め、固定されます。

ポルシェ 整備


一方のポルシェ993はボルト2本でカムシャフトに直接固定されます。

ポルシェ 整備


このようにカムハウジングからロッカーシャフト、ロッカーアームの小さな部分を比較しても964から993へより効率的になるようエンジンが進化しているのがお分かり頂けたかと思います。

ポルシェ整備 964/993 空冷エンジンの進化 〜ロッカーアーム
2015.04.27

昨日に引き続き、ポルシェ964とポルシェ993のエンジンの違いから空冷エンジンの進化をご紹介します。

ポルシェ964とポルシェ993のエンジンでは、
カムシャフトから押されるロッカーアームの先に付いたタベットの取り付け方法が異なります。

ポルシェ 整備


ポルシェ964は調整式となっており、エンジンを組む際に定められた位置で締めて固定します。一方のポルシェ993はバルブとのクリアランスを最適に保つよう油圧式となっています。

ポルシェ 整備



仮にカムシャフトが何らかの原因で減って、ロッカーアームのタベット部分を押す力が減っても993の油圧式ですとクリアランスをある程度一定に保つことができます。

明日に続きます。

ポルシェ整備 964/993 空冷エンジンの進化 〜カムハウジング
2015.04.26


テーマ:ブログ
本日から数回に渡って、ポルシェ964とポルシェ993のエンジンのカムハウジング違いから、
空冷エンジンのエンジン技術の進化をご紹介します。


ポルシェ964とポルシェ993のエンジンの違いのひとつで、
ロッカーアームとロッカーシャフトにエンジンオイルを供給する方法が異なります。

ポルシェ 整備


ポルシェ964はロッカーアームにエンジンオイルが吹き付けられ、
ロッカーアームのオイル穴に溜まったエンジンオイルがロッカーシャフトに供給されます。

ポルシェ 整備


一方、ポルシェ993はカムハウジングからロッカーシャフトに直接オイルラインが通っており、
ロッカーシャフトからロッカーアームへとエンジンオイルが伝わります。

ポルシェ 整備


ロッカーシャフトの表面に常にエンジンオイルが付着している必要があるので、993ではロッカーシャフトに直接エンジンオイルが供給されるように964からの改良が施されています。

明日に続きます。